⑤ 環境保全の推進

取組方針

脱炭素社会や循環型社会に資する環境保全活動を推進します。

当社グループでは、「環境基本理念」及び「環境基本方針」を制定しています。

環境基本理念

阪急阪神ホールディングスグループは、
地球環境の保全は人類共通のテーマであるとの認識のもと、
よりよい地球・生活環境を次世代に引き継ぐため、
環境に配慮した事業活動を推進し、
持続的発展が可能な社会づくりに貢献します。

環境基本方針

以下の方針に基づき、環境保全に向けた取組みを実施し、継続的に改善してまいります。

  1. 事業の環境負荷を把握し、その低減を図ります。
  2. 環境に関する法令その他の社会的要請を正しく理解し、それを遵守します。
  3. 従業員一人ひとりが環境に配慮した行動ができるよう、従業員の意識向上に努めます。

グループ各社においては、このグループ共通の環境基本理念・環境基本方針のもと、必要に応じ各社・各事業の特性に応じて個別に環境理念・環境方針などを定め、環境保全活動を推進しています。

推進体制

当社グループでは、環境委員会(委員長:阪急阪神ホールディングス社長)を設置し、グループ全体で環境活動を推進しています。環境委員会は、各コア事業の環境保全活動を統括し、グループ各社はコア事業単位での環境保全活動を推進します。

非財務KPI

指標 目標値 範囲
CO₂排出量の削減率 2013年度比△46%(2030年度)
実質ゼロ(2050年度)
当社及び子会社の国内事業所

具体的な取組の方向性

①CO2など温室効果ガスの排出量の削減

<カーボンニュートラルの実現に向けて>
2022年5月に発表した長期ビジョンでは、2050年カーボン ニュートラルに向けて、2050年度のCO₂排出量の目標を「実質ゼロ」と定めました。具体的には、鉄道における省エネルギー性能の高い車両の導入・更新をはじめとしたエネルギー使用量の削減を進めるほか、太陽光発電の設置などの再生可能エネルギーの導入、環境配慮型建物(グリーンビルディング)の拡大を推進することなどにより、CO2排出量の削減に取り組んでいます。
<環境負荷の低い交通ネットワークの形成>
鉄道は、自家用乗用車に比べ、輸送量あたりのCO₂排出量が約1/8と、環境負荷の低い交通機関です。公共交通の利便性が向上することで、自家用乗用車の利用が抑制されれば、我が国における運輸部門のCO₂排出量が削減されます。阪神なんば線に代表されるような鉄道ネットワークの拡充に今後も努めるとともに、バス・タクシーはもちろんのこと、レンタサイクル・駐輪場などの自転車の利用環境の充実を通じて、「駅まで」や「駅から」の交通手段をより便利にし、公共交通を軸とした環境負荷の低い交通ネットワークの形成に取り組んでいます。
  • ※神戸高速線の着色部分は阪急電鉄又は阪神電気鉄道の乗り入れ区間
取組事例
<阪急西山天王山駅における取り組み>
2013年に開業した阪急西山天王山駅は、高速道路との結節機能をもち、駅と一体でパーク& ライドの駐車場や高速バスの停留所を設けるなど、利便性と環境負荷低減の両立を実現しています。
  • 西山天王山駅

②エネルギー効率の改善(省エネの推進)

取組事例
<鉄道における省エネルギーの取り組み>
当社グループのエネルギー使用において、鉄道の運行に係るエネルギーは約40%を占めるため、当社グループは、鉄道の運行における省エネルギーの取り組みを重要視しており、阪急電鉄及び阪神電気鉄道において、車両機器メーカーとの開発協議などを行いながら、省エネルギー性能の高い車両の導入や更新に注力しています。
例えば、阪急電鉄、阪神電気鉄道における最新の省エネルギー性能が最も高い車両においては、モーターに永久磁石同期電動機を用いた高効率のVVVFインバータ制御装置のほか、前照灯を含むすべての照明機器にLED照明を採用し、従来型車両と比較して約50%~60%の消費電力削減を実現しています。
また、駅施設などに、消費電力量が少なく、長寿命で廃棄物削減にも寄与するLED照明の導入を順次進めています(駅照明〈バックヤード除く〉のLED化率 阪急電鉄:60% 阪神電気鉄道:75% ともに2023年3月時点)。
  • 阪急電鉄 省エネ車両
  • 阪神電気鉄道 省エネ車両
取組事例
<エネルギー効率を測定するビル管理システムの活用>
大阪梅田ツインタワーズ・サウスでは、BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)によりエネルギー使用量・効率を「見える化」してビル設備の省エネ運転・制御に役立てているとともに、発電効率の高いコージェネレーションシステム、建物の外部に近いゾーンから執務室にかけて段階的な温度設定を自動的に行う「シークエンス空調」、デシカント(乾燥剤)で空気中の湿度をコントロールすることにより空気環境を整える「デシカント空調」などにより、快適性を維持しながら省エネを促進しています。また、当ビルではテナントも貸室内の日ごと・時間ごとのエネルギー使用量をウェブ上で確認でき、トレンドや対前年比較などのグラフ化も可能な、一歩進んだ「見える化」システムを実現しています。これにより、テナントの省エネ意識の向上を助け、日々の省エネ活動が行える仕組みを構築しています。
  • 大阪梅田ツインタワーズ・サウス
取組事例
<エコドライブの推進>
阪急バス、阪神バス、阪急観光バス、丹後海陸交通、阪急タクシー、阪神タクシー、大阪阪神タクシー、阪急阪神エクスプレス、阪急阪神ロジパートナーズなどのグループ各社では、従業員への教育をはじめ、アイドリングストップ装置のついた車両の導入やエコドライブコンテストの開催など、さまざまな取り組みを通じて、エコドライブを推進しています。
  • 阪急バス
  • 阪急タクシー

③再生可能エネルギー(太陽光発電など)の活用

取組事例
<太陽光発電の設置>
当社グループの各施設は再生可能エネルギーの活用として、太陽光発電の設置などによりCO₂削減に取り組んでいます。主な太陽光発電の設置施設は以下のとおりです。
● 都市交通事業:阪神大石駅、阪急摂津市駅、阪急西宮北口駅
● 不動産事業:HEPファイブ
● エンタテインメント事業:阪神甲子園球場
2022年4月に、大阪梅田ツインタワーズ・ノース/サウスの両ビルで、共用部とオフィス専用部での使用相当分の電力をCO2フリーの実質的な再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたのをはじめ、対象物件を順次拡大しており、2025年度には大阪梅田地区および阪急阪神沿線で運営するオフィスビル・商業施設等(※1)における電力使用量(※2)の約9割を実質的な再エネ電力に置き換える予定です。これにより、建物所有者とともに入居企業も一体となって脱炭素社会の実現に取り組んでいきます。

(※1)建替・再開発予定の物件、使用電力が極めて小さい物件、エネルギー管理権限を有しない物件など、一部の物件を除く。
(※2)コージェネレーションシステムによる自家発電分を除く。
  • 阪神甲子園球場
  • 阪急摂津市駅
  • 阪急西宮北口駅

④環境配慮型建物(グリーンビルディング)の拡大

当社グループは、環境・社会への配慮がなされた不動産に対して付与される認証(株式会社日本政策投資銀行が企画・運営し、 日本不動産研究所が認証実施する「DBJ Green Building認証」など)の取得を推進し、環境へ配慮した建物の拡大に取り組んでいます。

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認証名・評価内容 施設名
DBJ Green Building認証〈5段階評価〉
★★★★★(5つ星)
国内トップクラスの卓越した 「環境・社会への配慮」がなされた建物
大阪梅田ツインタワーズ・サウス
阪急西宮ガーデンズ
★★★★(4つ星)
極めて優れた「環境・社会への配慮」が なされた建物
HEPファイブ
★★★(3つ星)
非常に優れた「環境・社会への配慮」が なされた建物
神戸三宮阪急ビル
CASBEE不動産評価認証
Sランク(最高位)
(一般社団法人日本サステナブル建築協会(JSBC)、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が中心に開発・運営する、不動産評価の際に活用するための環境評価の結果で、最高位ランクを取得した建物)
ロジスタ・ロジクロス茨木彩都A棟 B棟
建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)
★★★★★(最高位)
(建築物の省エネ性能表示のガイドライン(国土交通省がガイドラインを制定)における第三者認証で、最高位ランク(★★★★★)を取得した建物)
ロジスタ・ロジクロス茨木彩都A棟 B棟
ZEB
ZEB Ready
快適な室内環境を保ちながら高効率設備等により省エネルギーに努めることで、同規模の標準的な設備仕様の建築物と比較し、一次エネルギーの年間消費量が大幅に削減されている建築物。削減量に応じて、『ZEB』、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Oriented の4つに定義される。ZEB Ready は、50%以上の一次エネルギー消費量を削減した建築物。
ロジスタ・ロジクロス茨木彩都B棟
CASBEE大阪(大阪市建築物総合環境評価制度)〈5段階評価〉
Sランク(最高位)
(室内環境の快適性、建築物の長寿命化、景観への配慮等も含め、建築物の総合的な環境性能で最高位ランクを取得した建物)
大阪梅田ツインタワーズ・ノース
  • HEPファイブ
  • 神戸三宮阪急ビル

⑤廃棄物発生の抑止およびリサイクルの推進

取組事例
<阪神甲子園球場における他社・行政との協働によるプラスチックカップリサイクル>
阪神甲子園球場では、生ビールなどの販売に使用し、お客様のご協力により回収したプラスチックカップを、帝人フロンティア株式会社やシモジマ株式会社と協働し、ビアカップホルダーなどのノベルティやごみ袋の原材料の一部、アルプススタンド部分のラバーフェンスの中材にリサイクルし、同球場で使用するという循環型の取り組みを導入しています。
  • 専用回収カート
  • プラスチックカップ

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取組事例
<ホテル事業におけるプラスチック削減の取り組み>
阪急阪神ホテルズでは、「プラスチック資源循環促進法」に基づき、客室内にご用意している一部使い捨てアメニティーをフロントロビーでの提供に変更しています。お客様が必要とする分だけをお取りいただくことによる「ごみの排出量の削減」のほか、「環境に害のある物質をなるべく削減」するために、プラスチック素材のアメニティーアイテムの軽量化や環境に配慮した商品に順次切り替えています。また、直営レストラン・宴会場で使用するプラスチック製ストローの素材を環境に配慮したものに切り替え、ストローを必要とするお客様にのみ提供する取り組みを行っています。

※アメニティーの提供方法について
第一ホテル東京、ホテル阪急インターナショナル:チェックイン時に必要なアメニティーをお伺いしています。
上記2ホテル以外のホテル:アメニティーコーナーをフロントロビーに設置しています。

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「安心・快適」、そして「夢・感動」をお届けすることで、お客様の喜びを実現し、社会に貢献します。

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